自筆証書遺言に関する民法改正

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「自筆証書遺言に関する民法改正」についての解説です。

  近頃、「就活」ならぬ「終活」という言葉が注目を浴びています。その中で、死後の財産の処分の方法として「遺言」(「ゆいごん」と読まれますが、法律用語としては「いごん」と読みます)の重要性も高まっているといえます。これについて、平成30年7月に民法改正が行われ、遺言についての定めも大きく変わりました。

 「遺言」とは、一言でいうと、被相続人が死亡する前に、予め相続人に対する自己の財産の分配を定めておくことです。その方法にはいくつかの種類がありますが、一般的にイメージされるのは「自筆証書遺言」(民法968条1項)だと思います。

 「自筆証書遺言」とは、特定の形式に則って、被相続人が自ら作成した遺言のことです。この自筆証書遺言は、いつでも無料で自由に作成できる点にメリットがあります。ただし、保管や発見が難しく、偽造されるおそれもあります。また、全文を自書する必要があるなど形式が厳格で、さらに「検認」(1004条1項)という裁判所による遺言書の検査が必要であるなど、デメリットも多いものでした。

 しかしながら、今回の民法改正と新法(法務局における遺言上の保管等に関する法律)の成立によって、この自筆証書遺言のデメリットは、少し解消されることとなりました。

 まず、法務局で自筆証書遺言の保管業務が開始されます。これによって保管・発見も容易になり、偽造されるおそれもなくなります。また、法務局で保管されている遺言は、裁判所による「検認」が不要になります(新法11条)。ただし、保管には遺産の額に応じた手数料がかかります。 この保管制度は令和2年7月10日から開始されます。

 さらに、遺言状の本文に付随する遺産の目録については、自書する必要がなく、パソコンなどで作成することが可能となりますから(968条2項前段)、遺産が多岐にわたる場合にはとくに遺言作成の負担が軽減されることとなります(ただし、作成されたすべてのページに署名と押印する必要があります(同項後段)。)。 この点に関しては今年の1月から施行されています。

 以上の改正は、公正証書遺言や秘密証書遺言を利用せずに、誰にも知られずに遺言を作成したい人にとっては、有用なものになるといえます。

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