相続放棄と空き家の管理

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「相続放棄と空き家の管理」についての解説です。

【相続放棄】

 相続放棄とは、家庭裁判所に相続の放棄を申述することにより、相続放棄した者を、被相続人の死亡時から、相続人とならなかったものとみなす制度です(民法938条、939条)。

 相続人全員が相続放棄をすると、相続権が次順位者に移ることになります(民法887条、889条)。例えば、被相続人の子ども全員が相続放棄を行うと、次順位者である被相続人の親に相続権が移ります。

 そして、相続放棄等によって、相続人のあることが明らかでないときには、相続財産は法人化し、相続財産の管理人の選任が行われます(民法951条、952条)。なお、相続財産の管理人の選任は、自動的に行われるものではなく、利害関係人等による家庭裁判所への請求をもって行われます(民法952条1項)。

 選任後、相続財産の管理人は、相続財産の清算等を行い、相続財産が残った場合には、その財産は国庫に帰属されることになります(民法959条)。なお、相続財産の管理人の報酬は、相続財産から支払われます。ただし,相続財産が少なくて報酬が支払えないと見込まれるときは,申立人から報酬相当額を家庭裁判所に納めてもらい,それを報酬にすることもあります。

【相続放棄後の空き家の管理】

 相続放棄によって相続人でなくなったのだから、相続財産の処理については無関係だと思われるかもしれません。

 しかし、民法940条1項は、「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となったものが相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」と規定しています。

 そのため、相続財産の中に空き家等の不動産がある場合には、たとえ相続放棄を行ったとしても、相続放棄を行った者は、相続財産の管理人が選任されるまで、当該不動産を管理する義務を負います。ですから、相続放棄を行った後、管理人が選任されるまでに、相続財産である不動産が倒壊し、それにより人等に危害が加えられた場合には、相続放棄を行った者は、損害賠償責任を負う可能性があります。

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