暴力行為等処罰に関する法律

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「暴力行為等処罰に関する法律」についての解説です。

【暴力行為等処罰に関する法律とは】

 暴行罪や傷害罪を規定している刑法は、広く知られている法律ですが、「暴力行為等処罰に関する法律」は、知らない方がほとんどだと思われます。

「暴力行為等処罰に関する法律」は、凶器を用いたり、団体または多衆による集団的な暴行・脅迫・器物損壊・強要(面会強請・強談威迫)などを特に重く処罰する日本の法律です。

【法律の意義】

 刑法上の犯罪は、単独犯を前提にしています。具体的には、ABを殴った場合、Aの殴った行為は、刑法208条の暴行罪に該当し、A2年以下の懲役などで処罰されます。

 これに対して、ACと共謀して、ACが一緒に、またはACのいずれかがBを殴った場合、ACは、暴行罪の共同正犯に該当し、ACは、共に2年以下の懲役などで処罰されます。なお、ACの法定刑(量刑の種類、上限及び下限)は、同じです。

 そのため、刑法だけで処罰しようとすると、Bを殴った人数が、1人であろうと10人であろうと、処罰の際の法定刑は、同じになり、悪質な集団犯罪等に対応できなくなります。

 また、暴行行為や脅迫行為等でも、凶器を用いる場合とそうではない場合とでは、その犯行の悪質性が変わってきます。

 そこで、そのような悪質な犯罪に対応し、厳しく処罰したのが、「暴力行為等処罰に関する法律」になります。

【処罰の対象】

1 集団の威力又は凶器を用いた暴行・脅迫・器物損壊等、集団での暴行・脅迫・器物損壊等、凶器を用いた暴行・脅迫・器物損壊等

 同法では、このように規定しています。

「第1条 団体若は多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し又は兇器を示し若は数人共同して刑法第208条【暴行罪】、第220条【脅迫】又は第261条【器物損壊罪等】の罪を犯したる者は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処す」

 少し読み難いですが、この罪は、行為者が、「団体若しくは多数の威力を示し」「実在しない団体若しくは多衆を仮装して威力を示し」「凶器を示し」「数人共同し」のいずれかの方法によって、暴行、脅迫、器物損壊の罪を犯した場合に成立します。

 具体的には、包丁を持ったAが、包丁をBに示して「殺すぞ」と脅した場合やACと共謀して、ACが一緒に、またはACのいずれかがBを殴った場合などが、これにあたる可能性があります。

2 銃砲刀剣類を用いた傷害

 同法は、このように規定しています。

「第1条の2 銃砲又は刀剣類を用ひて人の身体を傷害したる者は1年以上15年以下の懲役に処す

2項 前項の未遂罪は之を罰す

3項 前二項の罪は刑法第2条、第3条の2及第4条の2の例に従ふ」

 具体的には、包丁を持ったAが、その包丁で、Bを切りつけて、Bの腕に出血を伴うケガを負わせた場合が、これにあたる可能性があります。

3 常習的傷害・暴行・器物損壊

 同法は、このように規定しています。

「第1条の3 常習として刑法第204条【傷害罪】、第208条【暴行罪】、第222条【脅迫罪】又は第261条【器物損壊等罪】の罪を犯したる者人を傷害したるものなるときは1年以上15年以下の懲役に処し其の他の場合に在りては3月以上5年以下の懲役に処す

2項 前項(刑法第204条に係る部分を除く)の罪は同法第4条の2の例に従ふ」

 具体的には、家庭内で、夫から妻への暴力が、日常的に行われている場合には、これにあたる可能性があります。

4 不正な利益を得る目的で集団的・常習的に脅し従わせる行為

 同法は、このように規定しています。

「第2条 財産上不正の利益を得又は得しむる目的を以て第1条の方法に依り面会を強請し又は強談威迫の行為を為したる者は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処す

2項 常習として故なく面会を強請し又は強談威迫の行為を為したる者の罰亦前項に同し」

 具体的には、行政が管理する施設の利用や、各種許可をしてもらうため、威力や凶器を示し又は数人が共同してこれらを要求する場合には、これにあたる可能性があります。

5 集団的犯罪の請託

 同法は、このように規定しています。

「第3条 第1条の方法に依り刑法第199条【殺人罪】、第204条【傷害罪】、第208条【暴行罪】、第222条【脅迫罪】、第223条【強要罪】、第234条【威力業務妨害罪】、第260条【建造物等損壊及び同致死罪】又は第261条【器物損壊等罪】の罪を犯さしむる目的を以て金品其の他の財産上の利益若は職務を供与し又は其の申込若は約束を為したる者及情を知りて供与を受け又は其の要求若は約束を為したる者は6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処す

2項 第1条の方法に依り刑法第95条【公務執行妨害及び職務強要罪】の罪を犯さしむる目的を以て前項の行為を為したる者は6月以下の懲役若は禁錮又は10万円以下の罰金に処す」

 具体的には、集団で1人の人を暴行することを、お金を使って依頼などした場合が、これにあたる可能性があります。

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