監督者責任(交通事故)

交通事故が発生した場合、加害運転者が未成年者の場合で、特に加害者に任意保険が付されていないケースでは、親の責任が未成年者の責任と合わせて追及されることがあります。

加害車両の所有者が親であれば、運行供用者責任を追及されます。

また、加害運転者が年少者で責任能力がなければ監督者責任(民法714条)を負うことがあります。もっとも、自動車やバイク、原付などの事故の場合、加害運転者となる未成年者は、年齢からして通常は、責任能力があると判断されるため、監督者責任(民法714条)の追及は困難です。そこで、親としての未成年者の子の監督義務違反を理由に民法709条の責任を追及することが多いと考えられます。民法709条の責任を追及する場合、親がふだんの未成年者の素行からして危険な運転行為をするのではないかという危惧を抱いていたかが問題になります。

<参考判例>

東京地裁平成12年6月7日判決・交民集33巻3王946頁

当時18歳の未成年者が自動二輪車を運転し、制限速度40キロメートルの道路を時速100キロメートル程度で走行し、被害者と衝突した事案です。裁判所は、①未成年者は母親と同居していたこと、②本件事故以前にも恐喝やバイクの窃盗により逮捕されて少年鑑別所に入所したり、家庭裁判所で試験観察や少年院送致の処遇を受けていたこと、③本件事故の前年に母親の援助を受けてバイクを購入していたこと、④未成年者は夜間、友人らと付近の道路をバイクで高速度で走行していたことなどの事情を認定し、さらに、母親が未成年者に対し、こうした友人らと交際しないように指導することがあったが、次第に放任するようになり、バイクを取り上げたり、友人らとバイクに乗ることを咎めることはなかったと指摘した上で、「Y(母親)はX(未成年者)の年齢、交友関係を含めた日頃の行動、関心などからして、被告Xが無謀運転や暴走行為に及ぶおそれが大きいことを容易に認識することができたといえるから、日ごろから交通法規を遵守するように指導し、法令違反や危険な運転が繰り返されているようであれば、バイクの運転を禁止するなどの措置を取るべき注意義務があった」ものの、これを怠った結果本件事故を発生させたとして、母親に民法709条の責任を肯定しました。

<弁護士のコメント>

判例1は、未成年者のふだんの素行からして、危険な運転行為をするのではないかという危惧を抱かざるをえない事情があったことから親の責任を認めています。もっとも、子どもが自動車運転をしていたとしても、とりたてて問題を起こすと思われる事情が明らかでない事案では、親の責任は否定されることが多いでしょう。

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