飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「酔っぱらい防止法についての解説です。
もう今年も残すところ3カ月を切りました。そろそろ、忘年会等の飲み会の予定を気にする方もいるかと思います。
忘年会シーズンになると、酔っぱらった人が、電車内で、大声で騒いだり、暴れたりしたとのニュースやX等のSNSの投稿を見ることがあります。
この大声で騒いだり、暴れたりする行為、実は、単なる迷惑行為に留まらず、処罰の対象になる可能性があります。
1961年に、「酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」(通称「酔っ払い防止法」)が制定されています。
上記の事例のように、飲食店などの公共の場やバスや地下鉄などの乗り物において、大騒ぎした場合、この「酔っぱらい防止法」違反として、処罰される可能性があります(同法4条1項)。
第4条
「酩酊者が、公共の場所又は乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をしたときは、拘留又は科料に処する。
2 前項の罪を犯した者に対しては、情状により、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。
3 第一項の罪を教唆し、又は幇ほう助した者は、正犯に準ずる。」
「酩酊者」とは、「アルコールの影響により正常な行為ができないおそれのある状態にある者」をいいます(同法1条)。
また、「公共の場所又は乗物」とは、「道路、公園、駅、興行場、飲食店その他の公共の場所又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物」です(同法3条1項)。
そのため、上記の事例においては、酔っぱらって、電車で騒いでいたAさんは、同法4条1項違反として、処罰される可能性があります。
なお、「拘留」とは、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置する刑であり、「科料」は、1000円以上1万円未満の金銭を支払わせる刑です。