評価損(格落ち損)

交通事故によって車両が損傷を受けた場合、その損傷を修理することで事故前の状態にまで回復するのであれば、修理費用が賠償されることによって、車両損害は填補されることになります。 しかし、修理をしても、機能や外観に欠陥が残ったり、また、事故歴があることにより、中古車市場における評価が下がり、価格が低下することもあります。 このような場合、評価損(格落ち損)を請求することができます。 評価損の算定にはさまざまな要素を考慮され、実際の金額は、「修理費用の〇%」といった形で認定されるのが一般的です。

評価損には、①技術上の評価損(修理技術の限界から完全に修理できないことによる)と②取引上の評価損(事故者であることを理由とする中古車市場での価格が低下することによる)があるとされます。一般的には、①技術上の評価損の場合には、高額の評価損が認められることが多いと考えれらます。

<参考判例>

1 大阪高裁平成5年4月15日・交民集26巻2号303頁

事故歴のために具体的な減価額が発生したことを認定しつつも、具体的な買替えや譲渡の予定もなかったとして、取引上の評価損について減価があるとしても潜在的・抽象的な価格の減少にとどまるとして否定しました。

2 東京地裁平成23年11月25日判決・自保ジャーナル1864号165頁

被害車両が購入後約3か月走行距離945キロメートルの日産スカイラインGTRプレミアムエディション(限定車)の事案(修理費用141万5478円)において、「被害車両には本件事故による修理歴があることにより商品価値が下落することが見込まれ、評価損が生じていることが認められる」とし、その額については①修理後も本件事故前と同じ状態には戻らなかったこと、②修理後に機能上の欠陥が残存していることの立証がないことから、修理費用の50%を評価損と認定しました。

3 大阪高裁平成21年1月30日判決・判時2049号30頁

被害車両が事故前4か月に初度登録したポルシェ911(修理費用222万円)について、150万円の評価損を認めました。

<コメント>

判例1の立場は評価損を認めるかどうかという点において非常に厳格な立場をとっています。

もっとも、最近の傾向としては、評価損が発生すること自体は比較的容易になったとの評価もあります。また、評価損の発生を認めた場合に、低下額をどのように算定するかという点については、結局のところ、修理代の何割という感覚的な評価にならざるを得ないようです。この場合、被害車両が新しく、走行距離も少なければ、評価損は大きく認められる傾向にあり、また、判例2、判例3のような高級車の場合は高額な評価損が認定されることもあります。

一方で、古い自動車や安価な自動車については、評価損の額が低額になったり否定されることもあります。

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